アスベストは天然に産出する繊維状のケイ酸塩鉱物です。
繊維1本は直径0.02-0.35μm(髪の毛の5,000分の1)程度で、 綿のように軽く柔らかい形状で耐熱・耐火性や防音性、絶縁性など、 数々の優れた性質を持つことから「夢の材料」と言われ、 世界中で多くの建設資材、電気製品、自動車、家庭用品等に重用されてきました。
しかし、空中に飛散した石綿繊維を長期間大量に吸入すると、 肺癌や中皮腫の誘因となることが指摘されるようになりました。
20世紀後半に入ると徐々にアスベストと健康被害との関係性が科学的に解明されていき、アスベストの使用を規制あるいは禁止する国が増えていきました。
日本でもアスベストによる健康被害は比較的早くから指摘されていましたが、2005年に「周囲にアスベストが存在するだけで誰でも健康被害を受ける可能性がある」ということがマスコミに取り上げられ、大きな社会問題となったことからアスベスト使用規制が一気に本格化しました。